昨今メディアなどで取り上げられている「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、視覚障害者の案内により、完全に光を遮断した”純度100%の暗闇”の中で、視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテイメントです。
千葉ポート校では、アミューズメントパークとしてではなく、学びの場として、心の豊かさを考える機会として企画いたしました。目が見えない状態でのいくつかの体験をK1、K2クラスの園児さんに体験してもらいました。
まずは、【視野狭窄体験メガネ】【白濁体験メガネ】【盲体験メガネ】の3つの体験メガネをかけてもらいました。普段当たり前に見えている世界がこれらの体験メガネをかけることで「見えにくさ」を体験しました。
お子さん達は、見慣れないメガネに「なんだこれ?」と言いながらも体験メガネをかけて「○○ちゃん見えた!」「そこにいるのは○○先生でしょ?分かったよ!」と楽しみながら体験していました。
メガネを体験後、実際にアイマスクを付け、暗室に(職員は見えています(^^♪)
職員の誘導のもと移動しました。
暗室…黒い画用紙や布を窓に貼って、作ってみましたがアイマスクを取ればよ~く見えてしまいます💦
お部屋の構造上、一部壁がなく明るい暗室ですが、お子さんたちからは、ちょっと緊張してる感じが伝わって来ました。
まず、行ったのが目隠しをしたまま音を聞いて何の音かな?を当てるクイズをしました。
音は、良く聞こえており、概ね当たっていました😊
次に体験したのは、紙コップに麦茶と水をそれぞれ用意し、全員水から飲んでもらいました。
目が見えている状態で水を見てから飲む時は、何も躊躇なく飲み「あ~おいしい!」ですが、見えていないので恐る恐るでした。予め「普段からみんなが良く飲んでいるものだから安心して飲んでね。」と伝えてはいましたが、ゆっくりと飲んでいました。
すぐには、「水だ!」と言わず、「なんだ、これ?」「味がしない…?」「う~ん?」という反応があってから、「水」と確信した子が、「あ!水だ!」と言い、続々と「そうだ!水だ、水!」という声が聞こえて来ました。
続いて、麦茶です。
「?…今度は、味がする…」「コーヒー?」「緑茶?」といくつか麦茶とは違う反応があり、「飲んだことある…」「お茶だね?」「分かった!麦茶だ!」と答えに辿り着くまでに時間がかかりました(*´ω`*)
みんな、とても真剣に自分の舌を頼りに確かめていました😊
最後の体験は、おやつを食べて何を食べているのかを当ててもらいました。
体験する前からいつもならレッスンタイムであるのにおやつが食べられると聞き、皆さんウキウキしおりました🎵食べてもらったのは、みんな大好き「ハッピーターン」と「ボーロ」
ボーロは、紙皿に直接乗せたので触れば口へ運ぶだけでしたので、そっと紙皿に手を伸ばし、ボーロをつまみ口へ。「甘いね。これ、食べたことある。なんだっけ?」意外と年長さんともなるとボーロはおやつで食べないようで、昔赤ちゃんの時に食べた味が何と言う名前かすぐに出て来ませんでした(笑)
ここで、助け舟。
「これは、みんなが小さい時に食べた、ボーロです。」
「あ~ぁ!ボーロだぁ!」と嬉しそうでした。
そして、ハッピーターンは、袋の包を開けてから食べないといけませんね。見えないながらも、おやつへの本能?とも言うべきでしょうか、さっさと開けて食べられる子もいれば、なかなか「あれっ?あれっ?」と先生にお手伝いしてもらい包を開けて食べている子もいました(^^♪
「う~ん🎶おいしい。クッキーかなぁ?」「食べた事あるなぁ。」と味わいながら考察する子もいれば、「あっ!ハッピーターンだねっ🎵」と当てる子もいました。
見えない事は、不安ですよね。私自身、とても目が悪く、眼鏡のない生活は考えられませんが、それでもかわいいお子さんたちの表情をいつも見ることが出来、幸せな事なのだと改めて感じる企画となりました。目の見えない方達には欠かせない「点字ブロック」「白杖」の説明と目の見えない方、困っている方に出会った時にはどのように接したら良いか質問しながらお話を進めて行きました。
最後に「ヘレン・ケラー」の絵本を読み、実在した人物のお話だと説明をすると「本当にいたの?」
「え?本当?」「アメリカの人?」「本当に本当のこと?」となかなか信じて貰えませんでした。
絵本を読む前に「読んだことある人」、「知っている人」と尋ねると誰も知っているお子さんはいませんでした。今後の保育の方向性を考えて行きたいと私自身の学びの場となりました。
イベント終了後、「先生!楽しかった!」「楽しかったよね!」という声が聞けて何よりでした(^_^)v